阪神大震災などの被災状況に鑑み、落橋を防止する構造およびこの落橋防止壁に作用する衝撃力を緩和する
ための、緩衝材の性能試験を行うものです。試験は構内の斜面を利用し、ここに設置したレール上を鋼製の落下物体が落下して緩衝材に衝突させます。主要試験の内容は以下のとおりです。
〔試験目的〕
・緩衝材の緩衝効果の把握
・経済的かつ効果的な落橋防止構造の検討
〔試験条件〕
1.緩衝材
寸法 幅 :500㎜
高さ:200㎜
厚さ:100㎜(標準)または200㎜
温度 : -10,15(標準),40℃
2.落下物体(衝突試験)
衝突速度 :0~5m/s
落下物体質量:1.8t,7.19t,14.3t(写真-1)の
3種類
〔試験内容〕
a.緩衝材の静的載荷試験
b.緩衝材の衝突試験
c.落橋防止壁の衝突試験
d.落橋防止壁に緩衝材を取り付けた衝突試験
緩衝材の材料特性(荷重~変位曲線)の把握を目的として実施しました。
緩衝材は、ゴム,合成樹脂,発泡スチロール,弾性シール材,ウレタンなどの単体の他、中詰タイプとして各種容器に発泡スチロールや砂,ウレタンなどの材料を充填したものなど、これまで20種類近く様々なものをテストしています。
静的載荷では把握できない動的挙動の観察および衝突時に生じるエネルギー吸収特性や反力など、様々な物性の把握を目的として、各種の緩衝材について試験を実施しました。試験は、落下物体を斜面より落下させ、固定台に設置した緩衝材に所定の速度で衝突させます。
衝突時の反力やエネルギー吸収特性などから、その緩衝材が有す性能を評価しています。
緩衝材を取り付ける各種タイプの落橋防止壁について、衝撃吸収および破壊形態・変形性能などの把握を目的として実施するものです。試験方法は、固定台に設置した落橋防止壁に落下物体を所定の速度で衝突させ、変形状況や破壊形態を確認しました。試験を行った落橋防止壁は、鋼製,コンクリート製など、約10種類近くに及んでいます。
aおよびbで緩衝効果が高いと思われる緩衝材を選別し、これを落橋防止壁に設置した状態で衝突試験を行い、落橋防止装置全体としての動的挙動・破壊性状および緩衝効果などを確認するものです。
緩衝材と防止壁が、橋体の衝突に対して抵抗できる最終的な保有性能を推定することができます。